- 2009-08-11 (Tue) 12:20
- 活動報告
全国フェミニスト議員連盟夏合宿2日目は、分科会があり、わたしは「第一分科会 がん対策と産科医療」に参加しました。
島根県立中央病院の産婦人科医・岩成治さんから「子宮頸がん対策」を中心にお話を伺いました。
島根県の子宮頸がん対策は、全国的に見ても一番進んでいます。
http://www.pref.shimane.lg.jp/life/kenko/kenko/chouju_info/shikyukeiganleaf.html
子宮頸がんリーフレット
その中心人物の貴重なお話が伺えました。(整理の都合上、実際のお話とは前後させたり、同じ話題はまとめたりしています)
現状、子宮頸がんは若年化する一方、妊娠が高齢化しています。妊婦が35.6歳。がん患者が38.1歳で余り変わらない。
子宮頸がんは、自覚症状がないだけに、気づいたときには進行し、子宮を切除しないといけなくなります。一方で早期(前がん段階)に発見すれば、円錐除去手術、原因ウイルスもほぼ除去できます。
がんの征圧には、精度と効率性が大事です。精度を重視しているのが金沢市のHPV検査で、効率性がイギリスとオランダ(細胞診)です。両方を併用している(HPV診と細胞診)は出雲市と斐川町です。
極論すれば、一回検査をすれば、いいのです。この併用を島根県としては「珍しく」全国トップを切って、導入しています。2009年からは出雲市と斐川町で自立的やっています。
島根県の事業は具体的には、2007年から開始し、県が環境保健公社に委託しました。HPV検診800円 細胞診700円 が自己負担です。
HPV検診については、「HPVが消えたかどうかの検査。」であり、みんなが感染するということを前提にしています。その上で、「がんの前の段階で検査。ただし体がんがあるから不正出血があれば受診してください。」という趣旨のチラシを配っています。
■誰でもかかるHPV
頸がんは、地球最古のウイルスHPVが原因です。子宮頸がんは早期で円錐切除すれば元に戻り、ウィルスも除去できます。「浮気をしなければ、ウイルスへの再度の感染はありません。」
と岩成さんが言われたのでそのたびに笑いに包まれました。
このウイルスは実は、ほぼ8割、誰でも感染します。しかし、風邪と同じで、数年の間には、ウイルスは抵抗力で除去され、8%の人にしかしか残りません。10代後半で初めて性経験した人なら20代には消えている場合が多いのです。
しかし、ウイルスが残った8%のうち、そのうちの1割がCIN2・3=前がん状態になるのです。さらにそのうち4割が子宮頸がんまで進みます。
さて、前がん状態、がんは20-30代が急増しています。20代が0,1期がおおく、20-40代で,初期は8割です。なお、高齢者については、もうこれ以上はウイルスに感染しないので、検診は無駄な面がある,ということです。
■対策が遅れる日本
日本の対策は遅れています。欧米先進国は検査で予防が徹底しています。途上国のアフリカは検査は遅れていますが、HPVワクチン投与を徹底しているので少ないのです。
ところが、日本は検診を始めたのに受診率が一番遅れていてます。
車検診は婦人会組織でまかなっていました。女性が「自分で体を守る」意識を持っていたのです。ところが、「今は、行政がしてください」になってしまっている。「自分で体を守る」
意識も低下しています。
日本では、行政検診が12% その他が13%というのが受診状況です。もはや「受診率を上げましょう」ではなく、「未受診者をなくしましょう!」というべきではないか、ということです。
本当に、併用検診にして、一回でも受けてもらえばよい、と岩成さんは強調します。ところが、市町村の予算は、「受診率15%」を前提にしており、全員が受けたらパンクしてしまう前提です。全くやる気がないのです。そして、産婦人科医師の不足がそれに拍車を掛けています。
■無駄が多い現状、併用検診で打破
検診のあり方に無駄もあります。そもそも、子宮頸がんに新たにならない人(50代から70代)が一生懸命受けているのが実態です。そして、癌に罹患する率が高いなる若い人がうけていないのです。
アメリカは70歳以上、イギリスは65歳で検査は打ち止めです。その代わり、若い人に対して、両者併用検診をして、早期に発見しているのです。
HPVウイルスと、早期検診を併用していると、子宮頸がんになる人をほぼ抜かりなくキャッチできます。
検査時にHPVマイナスの人は0.1%しか前がん状態になりませんが(浮気をしていなければ、子宮頸がんにならないと笑いを取られました。)、プラスだった人は16%が前がん状態になりました。
30歳くらいで、一度併用検査をやったら良いという前提に立っているのがアメリカです。 オランダの場合は、5-6年間隔です。
岩成さんは日本でも、20-25歳が10%(陽性率)で横ばいになりますのでこの辺で受けるようにしたら良いのではないかといいます。
■長期ビジョンつくれぬ政治・行政が改革遅らす
島根方式では、問診などから助産師・看護師がしています。そして、「割安です。残り材料でできます。(子宮ガン検診の)みなさんうけていますよ。」というキャッチフレーズ。これ
により、若者の受診が増え、その効果で全体の受診率が1.4倍になったそうです。
受診者にとって良い。医療者にとってよい。細胞検査にとって安心。行政にとって安全・経済効率的。病院にとって良質医療。このように、併用検診はいいことづくめです。
ところが、長期ビジョンがつくれないのが日本ではないか、と行政・政治を痛烈に批判しました。
「ただ、根底は信頼関係で、それがないと改革が進まない。」ともおっしゃいました。
今後は、感染予防のワクチンを与える「感染予防」を、性交経験がない11歳くらいで行なうこと。HPVワクチンは20年,効果が持続するそうです。さらに、併用検診を若いときにすること。それにより、がんを早期に予防する。そういう態勢への移行を岩成さんは構想しておられます。
また、HPVと子宮頸がんについて,学校での性教育に取り入れ、「期末試験の山」になるようにすればよい、ともおっしゃいました。
■島根県の危機的な産婦人科医療
島根県もまたご多分に漏れず、産婦人科医療は危機的です。
そもそも、産婦人科は人数が少ないとできないのです。きわめて多くのスキルアップが必要で、研修も必要でそれで仕事を抜けないといけない人も出てくるからです。
また、住民の感謝の気持ちの低下も指摘しました。さらに、県西部では助産師の不足が医師を疲弊させているともいいます。
女性を中心に、一度現場を離れた医師が復帰出来るようにしないといけないと課題を指摘。
「3K」から3Y「ゆとり、ゆたか、ゆめ」をと提唱しました。
各国は以下のように、工夫しています。
高福祉で鳴らすスウェーデンはお産は国中でたった4箇所に集約しています。
アメリカは分業が確立しています。
カナダ 無痛分娩が進んでいます。
オランダ 助産院→診療所→病院55%。
日本でも「地域によりあわせた分娩のあり方が必要」と指摘。
当面は医師を確保すると共に、「広く薄く」ある産科施設を、思い切って集約する。そのかわり、お産に備えた宿泊施設などを整備するなどを提言しました。
島根県立中央病院の産婦人科医・岩成治さんから「子宮頸がん対策」を中心にお話を伺いました。
島根県の子宮頸がん対策は、全国的に見ても一番進んでいます。
http://www.pref.shimane.lg.jp/life/kenko/kenko/chouju_info/shikyukeiganleaf.html
子宮頸がんリーフレット
その中心人物の貴重なお話が伺えました。(整理の都合上、実際のお話とは前後させたり、同じ話題はまとめたりしています)
現状、子宮頸がんは若年化する一方、妊娠が高齢化しています。妊婦が35.6歳。がん患者が38.1歳で余り変わらない。
子宮頸がんは、自覚症状がないだけに、気づいたときには進行し、子宮を切除しないといけなくなります。一方で早期(前がん段階)に発見すれば、円錐除去手術、原因ウイルスもほぼ除去できます。
がんの征圧には、精度と効率性が大事です。精度を重視しているのが金沢市のHPV検査で、効率性がイギリスとオランダ(細胞診)です。両方を併用している(HPV診と細胞診)は出雲市と斐川町です。
極論すれば、一回検査をすれば、いいのです。この併用を島根県としては「珍しく」全国トップを切って、導入しています。2009年からは出雲市と斐川町で自立的やっています。
島根県の事業は具体的には、2007年から開始し、県が環境保健公社に委託しました。HPV検診800円 細胞診700円 が自己負担です。
HPV検診については、「HPVが消えたかどうかの検査。」であり、みんなが感染するということを前提にしています。その上で、「がんの前の段階で検査。ただし体がんがあるから不正出血があれば受診してください。」という趣旨のチラシを配っています。
■誰でもかかるHPV
頸がんは、地球最古のウイルスHPVが原因です。子宮頸がんは早期で円錐切除すれば元に戻り、ウィルスも除去できます。「浮気をしなければ、ウイルスへの再度の感染はありません。」
と岩成さんが言われたのでそのたびに笑いに包まれました。
このウイルスは実は、ほぼ8割、誰でも感染します。しかし、風邪と同じで、数年の間には、ウイルスは抵抗力で除去され、8%の人にしかしか残りません。10代後半で初めて性経験した人なら20代には消えている場合が多いのです。
しかし、ウイルスが残った8%のうち、そのうちの1割がCIN2・3=前がん状態になるのです。さらにそのうち4割が子宮頸がんまで進みます。
さて、前がん状態、がんは20-30代が急増しています。20代が0,1期がおおく、20-40代で,初期は8割です。なお、高齢者については、もうこれ以上はウイルスに感染しないので、検診は無駄な面がある,ということです。
■対策が遅れる日本
日本の対策は遅れています。欧米先進国は検査で予防が徹底しています。途上国のアフリカは検査は遅れていますが、HPVワクチン投与を徹底しているので少ないのです。
ところが、日本は検診を始めたのに受診率が一番遅れていてます。
車検診は婦人会組織でまかなっていました。女性が「自分で体を守る」意識を持っていたのです。ところが、「今は、行政がしてください」になってしまっている。「自分で体を守る」
意識も低下しています。
日本では、行政検診が12% その他が13%というのが受診状況です。もはや「受診率を上げましょう」ではなく、「未受診者をなくしましょう!」というべきではないか、ということです。
本当に、併用検診にして、一回でも受けてもらえばよい、と岩成さんは強調します。ところが、市町村の予算は、「受診率15%」を前提にしており、全員が受けたらパンクしてしまう前提です。全くやる気がないのです。そして、産婦人科医師の不足がそれに拍車を掛けています。
■無駄が多い現状、併用検診で打破
検診のあり方に無駄もあります。そもそも、子宮頸がんに新たにならない人(50代から70代)が一生懸命受けているのが実態です。そして、癌に罹患する率が高いなる若い人がうけていないのです。
アメリカは70歳以上、イギリスは65歳で検査は打ち止めです。その代わり、若い人に対して、両者併用検診をして、早期に発見しているのです。
HPVウイルスと、早期検診を併用していると、子宮頸がんになる人をほぼ抜かりなくキャッチできます。
検査時にHPVマイナスの人は0.1%しか前がん状態になりませんが(浮気をしていなければ、子宮頸がんにならないと笑いを取られました。)、プラスだった人は16%が前がん状態になりました。
30歳くらいで、一度併用検査をやったら良いという前提に立っているのがアメリカです。 オランダの場合は、5-6年間隔です。
岩成さんは日本でも、20-25歳が10%(陽性率)で横ばいになりますのでこの辺で受けるようにしたら良いのではないかといいます。
■長期ビジョンつくれぬ政治・行政が改革遅らす
島根方式では、問診などから助産師・看護師がしています。そして、「割安です。残り材料でできます。(子宮ガン検診の)みなさんうけていますよ。」というキャッチフレーズ。これ
により、若者の受診が増え、その効果で全体の受診率が1.4倍になったそうです。
受診者にとって良い。医療者にとってよい。細胞検査にとって安心。行政にとって安全・経済効率的。病院にとって良質医療。このように、併用検診はいいことづくめです。
ところが、長期ビジョンがつくれないのが日本ではないか、と行政・政治を痛烈に批判しました。
「ただ、根底は信頼関係で、それがないと改革が進まない。」ともおっしゃいました。
今後は、感染予防のワクチンを与える「感染予防」を、性交経験がない11歳くらいで行なうこと。HPVワクチンは20年,効果が持続するそうです。さらに、併用検診を若いときにすること。それにより、がんを早期に予防する。そういう態勢への移行を岩成さんは構想しておられます。
また、HPVと子宮頸がんについて,学校での性教育に取り入れ、「期末試験の山」になるようにすればよい、ともおっしゃいました。
■島根県の危機的な産婦人科医療
島根県もまたご多分に漏れず、産婦人科医療は危機的です。
そもそも、産婦人科は人数が少ないとできないのです。きわめて多くのスキルアップが必要で、研修も必要でそれで仕事を抜けないといけない人も出てくるからです。
また、住民の感謝の気持ちの低下も指摘しました。さらに、県西部では助産師の不足が医師を疲弊させているともいいます。
女性を中心に、一度現場を離れた医師が復帰出来るようにしないといけないと課題を指摘。
「3K」から3Y「ゆとり、ゆたか、ゆめ」をと提唱しました。
各国は以下のように、工夫しています。
高福祉で鳴らすスウェーデンはお産は国中でたった4箇所に集約しています。
アメリカは分業が確立しています。
カナダ 無痛分娩が進んでいます。
オランダ 助産院→診療所→病院55%。
日本でも「地域によりあわせた分娩のあり方が必要」と指摘。
当面は医師を確保すると共に、「広く薄く」ある産科施設を、思い切って集約する。そのかわり、お産に備えた宿泊施設などを整備するなどを提言しました。
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